@article{oai:serve.repo.nii.ac.jp:00000331, author = {稲田, 敦子}, issue = {第3号}, journal = {聖学院大学論叢, The Journal of Seigakuin University}, month = {Mar}, note = {本稿は,共生思想の先駆的系譜に位置づけられるエドワード・カーペンターの共同体論の基底を探ることを目的とする。近代化が推進されるにつれて社会システムは発展し高度化していくが,そのことによって,従来の生活基盤はおびやかされ,ときには深刻な状況をひきおこす危険にさらされることとなる。また肥大化した社会関係の中では,個的な存在はまわりの状況に封じこまれ,その結果として,人間の現実的存在感は希薄となっていく様相を呈していくことは否めない。とくに,イギリス資本主義の「構造転換」に連動して,エドワード・カーペンターは,この希薄化をめぐる危機的状況を強く意識することとなった。カーペンターの生きた時代は,産業革命後の工業化の進展がもたらす社会の大きな変化に揺れていた時期であり,工業化の矛盾が集約的に顕在化することにより,イギリス史において,光と影を描く振幅を大きくさせることとなった。この時すでに彼の生涯の課題となった共生思想の萌芽的要素が見られるのであるが,カーペンターの主著であるTowards Democracy(1883年)の主題は,人間存在の精神的基礎としての共同性をめぐる精神的デモクラシーであったと言えよう。そこには,「個人の人格の普通の原型を超える領域」が組み込まれていることが示されている。さらに「現実主義的な民主主義」を精神的に昇華させることによって,表層部を「最深部で関係づける」 ことが志向されているが,ここに開かれた領域は,社会関係における「機能―役割」的関係から「実体―人格」的関係への再生の可能性をさぐる試みの一つと考えられる。}, pages = {21--30}, title = {先駆的共同体論の基底 : エドワード・カーペンターをめぐって}, volume = {第18巻}, year = {2006}, yomi = {イナダ, アツコ} }