@article{oai:serve.repo.nii.ac.jp:00000496, author = {稲田, 敦子}, issue = {第2号}, journal = {聖学院大学論叢, The Journal of Seigakuin University}, month = {Mar}, note = {本稿の目的は,共生思想の先駆的系譜に位置づけられるエドワード・カーペンターの内発的発展論の思想的基盤を,とくにイギリスのミルソープにおける共同体再編の試みから検討することである。カーペンターは,20 世紀初頭のイギリスで社会的調和論の実践をめざした組織であるFellowship of the New Life の中心的存在としてその活動を担いながら,彼独自の“new life” の展望を求め,普遍的価値と関わる主体形成および社会倫理の問題を模索していった。近代化が推進されるにつれて,肥大化した社会関係の中では,個的な存在は社会システムの規制状況に封じこまれ,その結果として,人間の現実的存在感は希薄となっていく様相を呈していくこととなる。エドワード・カーペンターは,イギリス資本主義の「構造転換」に連動して,この希薄化をめぐる危機的状況を強く意識することとなった。彼は,自己の内と外における「負」の側面を見据える視点から共生思想を提起していったが,内発的発展論はその実践的な試みといえるのである。彼は,個と共同性をめぐる問題を中心的な課題として,現代における自然との共生およびその具体的なあり方としての新しい共同体の再編への試論を提起した。彼の問題意識は,社会総体とその中での自己を,自然を射程に組み込むことにより,解決の糸口を探ろうとするものである。言い換えれば,「人間的自然」の全体性の回復を,「本来的自然」と「社会的自然」との調和的状態において成立させる方策を求めようとしたことであろう。}, pages = {57--67}, title = {内発的発展論の思想的基盤 : ミルソープ時代のエドワード・カーペンターをめぐって}, volume = {第23巻}, year = {2011}, yomi = {イナダ, アツコ} }